こんな症状はありませんか?
頭痛、倦怠感、めまい、便秘、むくみといった症状、気分の落ち込み、原因不明のイライラ、不眠といった症状があるのに、原因がわからない方は不定愁訴かもしれません。
長期間同じ症状が続く方もいれば、複数の症状が不定期に現れる方もいます。
不定愁訴とは
不定愁訴という言葉はなかなか聞き馴染みがないかもしれません。愁訴とは、違和感や不調を声に出して伝えることを意味し、原因の見当がつかないが体調不良を感じていることを不定愁訴と呼びます。体調が悪くて病院で検査を受けても、特段問題がなく原因不明とされてしまう方が少なくなく、大人の2〜3割の方が該当するともいわれています。
不定愁訴の原因
生活習慣の乱れ、心身のストレス、ホルモンバランスの乱れなどによって引き起こされ、自律神経の失調によって症状が起こることがほとんどです。また、何らかの疾患によって引き起こされることもあります。
不定愁訴は老若男女問わず起こりえますが、ホルモンバランスの乱れによるものは女性の方が多いといわれています。女性の身体はホルモンバランスの働きに左右されやすく、体温、呼吸、血管、内臓といった体内のあらゆる働きをコントロールしている自律神経が不調になることでホルモンバランスが乱れ、体調不良を誘発するとされています。
たとえば、月経時のPMS(月経前症候群)、40代後半〜50代後半の女性の更年期障害などが典型的な例です。
また決まったタイミングで症状が起こるのではなく、自律神経の失調によって心身に深刻な不定愁訴の症状が起こっている状態を、自律神経失調症と呼びます。具体的には、10代でよくみられる脳貧血や立ちくらみといった起立性調節障害などが該当します。
疾患によって引き起こされる不定愁訴については、原因疾患に応じた最適な治療によって症状が良くなることが多くなっています。
疑われる疾患
原因不明の不定愁訴については、周りの人になかなかわかってもらえないものです。仮病を疑われたくない、症状が重いけど耐えるしかないとご自身で抱え込んでしまい、周囲の人を頼ったり十分な休息をとったりせずに学業や仕事を続けている方も多くいらっしゃいます。しかし耐えられる程度のものだと軽んじていると、不定愁訴を引き起こす深刻な疾患の発見が遅れる可能性があります。
症状 |
考えられる主な原因 |
考えられる主な病気 |
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だるい、疲れやすい |
・生活習慣、ストレスによる自律神経の乱れ |
・甲状腺機能亢進症 |
頭痛 |
・生活習慣、ストレスによる自律神経の乱れ |
・片頭痛 ※その他、心臓、頚椎、血圧の異常、歯周病、顎関節症などの病気が原因となることもあります |
肩や首のこり、腰痛 |
・運動不足 |
・軽度のうつ症状
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目の疲れ |
・度数が合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用 |
・ドライアイ |
冷え |
・生活習慣、ストレスによる自律神経の乱れ |
・鉄欠乏性貧血 |
便秘、下痢、腹痛、膨満感 |
・生活習慣、ストレスによる自律神経の乱れ |
・甲状腺機能低下症(便秘) |
不眠、イライラ |
・生活習慣、ストレスによる自律神経の乱れ |
・軽度のうつ症状 |
原因がわからない体調不良の対処法
人によって異なりますが、女性は生涯を通じてホルモンバランスの働きに左右されることは避けようがないかと思います。また、ストレスが多い現代社会では、ストレスが原因で自律神経が不調になってしまう方も珍しくありません。
不定愁訴とは、身体と心から発せられる黄信号とも考えられます。不定愁訴を防ぐために、生活習慣を正すことが非常に重要です。十分な休息を取って心身の疲労を回復させる、適度な運動習慣を継続する、しっかりと睡眠時間を確保する、偏食とならないように食事メニューに注意するなど、ご自身で実践できることも多いので挑戦してみましょう。
また、体調不良や身体の異変がなかなか治らない場合には、無理をせず、当院までお気軽にご相談ください。
些細な体調不良でもお気軽にご相談ください
ちょっとした体調不良だけで病院を受診することをためらわれる方も少なくないと思います。しかし、早期に受診することで、さまざまな疾患の早期発見と進行防止になります。
異変が起こっている場所や症状の内容が明確な場合は、対応する専門科にご相談ください。なお、どこに相談するべきか判断できない場合は、婦人科や内科にまず相談するとよいでしょう。そこで治療できる場合もあれば、対応可能な別の専門科をご紹介する場合もあります。
身体に異変が生じたらすぐに相談できるかかりつけ医を決めておくことをお勧めします。近所の婦人科や内科がふさわしいこともありますので、まずは相談してみるとよいでしょう。かかりつけ医がいない、どの科を受診すればよいかわからない場合は、当院にご相談ください。