帯状疱疹とは
子どものときに発症したみずぼうそうのウイルスが神経内部に残存し、長い時間が経ってから再び活発になって神経や皮膚にダメージを与える疾患のことです。
ストレス、加齢、過労などが原因で免疫力が低下することで症状が生じることがほとんどで、神経に沿って帯状に湿疹が生じることから帯状疱疹と呼ばれます。症状が慢性化すると、深刻な痛みが長く続くようになります(帯状疱疹後神経痛)。重度の帯状疱疹後神経痛を防ぐために、なるべく早めに専門医にご相談ください。
帯状疱疹の症状と治療
急性期
発症初期の段階で、湿疹が神経に沿って帯状に生じ、激しい痛みが生じることもあります。
なるべく早めに専門的な診断を受けるようにして、抗ウイルス剤などを使った治療を受けることが望ましいでしょう。
激しい痛みが生じている場合は、神経ブロック注射によって痛みの原因に対処することが必要となります。痛みを放っておくと、神経痛が残り続けるおそれがありますので、なるべく発症してからできるだけ早急に治療を受けるようにしましょう。
帯状疱疹後神経痛
発症後それなりに時間が経っても痛みが残り続ける状態です。湿疹は消えても神経へ大きな負担がかかることで、深刻な痛みが長引くようになります。
神経が損傷しているため正常に機能せず、誤った信号を脳に伝達することで、本来は生じない感覚や痛みが起こるといわれています。
漢方による治療
発症初期では、むくみや炎症を解消させるために水滞を処方し、身体の冷えがある場合は温める処方を行い、急性期以降は瘀血を処方して血行改善と損傷の早期回復を図ります。
その方の体質に応じて適切に処方することで、全身の免疫機能の向上、炎症の緩和、創傷治癒の促進などを目指していきます。
帯状疱疹とブロック注射
帯状疱疹では皮膚に湿疹ができるため皮膚病と考える方も少なくないかと思いますが、神経も大きなダメージを受けています。また、湿疹は次第に消えていきますが、神経が損傷すると深刻な痛みが慢性化して、帯状疱疹後神経痛に至るおそれもあります。
帯状疱疹後神経痛の予防のためには、皮膚だけでなく神経の治療も発症から早い段階にしっかり行う必要があります。ブロック注射は、神経痛を和らげるだけでなく、患部の血行を改善することで皮膚と神経の症状が良くなることが期待できますので、帯状疱疹の治療において効果があるとされています。
帯状疱疹では湿疹が生じるため、内科や皮膚科に相談する方も少なくないかと思います。その場合、塗り薬や消毒、痛み止め、抗ウイルス剤などを処方され、多くの方は痛みや湿疹が数週間程度で良くなるとされています。しかし、なかなか痛みが消えず、不眠になるほど強い痛みが生じる方もいらっしゃいます。
神経が大きく損傷することを防ぐためにも、発症後に激しい痛みがあるようでしたら、なるべく早めに当院までご相談ください。